多摩地域 採血検査でほぼ全てでPFAS検出
立川市民の方からも、有機フッ素化合物が検出されました。
東京・多摩地域で採血検査をした550人余りのほぼすべての人から、
人体に有害な可能性のある有機フッ素化合物=PFASが検出されたと
市民団体が明らかにしました。
有機フッ素化合物=PFASは、高濃度だと人体に有害な可能性があるとされています。
「多摩地域の有機フッ素化合物(PFAS)汚染を明らかにする会」は15日、
今年2月末までに採血検査を実施した551人の調査結果を公表しました。
調査は、国分寺市や立川市、府中市など9カ所の診療施設で行われ、対象者の年齢は、
最高齢が91歳、最年少が19歳で、女性371人、男性180人でした。
その結果、ほぼすべての人からPFASが検出されたということです。
特に最も参加した人が多かった国分寺市の参加者の血中PFAS濃度は、
1ミリリットルあたり平均44.9ナノグラムと高い数値を示しました。
このほか、立川市や府中市、調布市などでも
有機フッ素化合物の一種=PFOSの濃度が1ミリリットルあたり10ナノグラムを超えていました。
大半の参加者が水道水を利用していたということですが、使用していないと回答した参加者では
PFOSなどの濃度がやや低い結果となりました。
また、浄水器を利用していた人では、PFAS濃度が低かったということです。
「明らかにする会」では、調査結果は、水道水にPFASが
比較的多く含まれていたことを示唆しているとしています。
東京都では、多摩地域の浄水所の水源となっていた一部の井戸からPFASが検出され、
すでに井戸の使用を止めるなどの対策が取られています。
米国アカデミーでは、有機フッ素化合物の一種=PFOS・PFOAなど7つのPFASの
合計値が1ミリリットルあたり20ナノグラムを超える患者には特別の注意を払うよう勧めています。
この7つの有機フッ素化合物のうち4つのPFASの合計について、
今回調査した551人のうち、300人が20ナノグラムを超えていました。
「明らかにする会」は、特に国分寺市や立川市の居住者は相当な割合でPFAS濃度が
高いとみられるとして、原因について主に水道水だと考えられるとしました。
また、これまでの研究から健康への影響が無視できず、米国アカデミーを参考とした対応を
考える必要があり、日本人でもPFASの暴露が高いグループを含めた集団での疫学研究が必要としています。
「明らかにする会」は、最終的な650人の採血結果について、5月下旬に記者会見を開き公表するとしています。
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